このたび、Live2D Cubism 3 使ってみようキャンペーン にて大変名誉な賞をいただきました。
 

なぞの罪悪感を払底するために技術情報を公開したいと思います。
ーといっても、あまり語ることは無いんですが…。

Live2Dでは、なんでもかんでも公式のフルモデルのように何十ものパラメータやデフォーマを作る必要はありません。ゲームのようなインタラクティブ性を求められないちょっとしたネタ動画用途でしたら、ワンポイントで分割してワンポイントで動かすだけで十分です。
ここでは肩の力を抜いて超簡単なワンポイントモデルの作例を解説したいと思います。

2017-07-07_20h52_16

昔のガラケーで撮った古い写真が元データです(320×240)。
あまりにも小さいのでwaifu2xで640x480にしました。
それを雑に3つの部品に分けたpsdを作ります。



背景が黒で潰れているのをいいことに、背景の切り抜きすらまともにしていません。
動かしたら見えそうな部分をだけを雑に塗り足しています。
あとは親に呼吸デフォーマを作って呼吸パラメータ、3つのアートメッシュと首と肘の回転デフォーマに横着して角度Xパラメータに雑な腕の動きを付けただけです。

一応、こだわりのポイントとして、
  1. 背中側の筋肉など、直接関係ないところも微妙に動かす。
  2. 上腕二頭筋の反対側、上腕三頭筋上部の収縮膨らみ。
ってのがあります。

1.腕だけを動かすと、ロボットのように機械的で不自然になります。現実に腕を動かしたときに、他の部位が微動だにしないなんて有り得ません。ブラシ選択ツールや投げ縄ツールなどを駆使して、腕に近いところや筋肉の繋がりが強そうなところを勘で動かしています。
(※この作例の場合、呼吸を除けばパラメータがひとつの簡易な作品だったので、様々なオブジェクトをひとつのパラメータに対応付けしてますが、一般的なモデルのパラメータ数でひとつひとつのパラメータに様々なオブジェクトを対応付けると「ひとつのオブジェクトに複数パラメータ問題」(注意!パラメータの集中)が出るので、Animatorのモーション作成作業上で他のパラメータを上手く動かして動きの不自然さを解消した方がいいです。「ひとつのパラメータに複数オブジェクト」なら問題ないです。)

2.は筋肉の知識が活きた箇所です。上腕三頭筋は肘の周辺がほぼ腱で構成されており、鍛えていてもフラットに近くなります。ここの凹みと三頭筋上部の膨らみを意識するとイラストを描くときにもそれっぽくなると思います。


反省点:
まさか受賞対象になるとは夢にも思っていなかったので、アニメがすごく雑です。
カーブもデフォのままで単純な往復運動を繰り返してるだけです。
もうちょっと曲げたときに溜めてもよかったと思います。
せっかくCubism3になってカーブをハンドルで詳細に調整できるようになったのに、まったく新しい機能を活かせていません。コンテストの趣旨的にもその辺をもっと強調すべきでした。

実際のデータを見た方が手っ取り早いので、
Live2D LibraryのデータをDLしてご覧になってみてください。
元画像素材やオマケの大胸筋モデルデータも付属しています。
あらゆる利用をOKにしていますので、学習用でも商用(やれるもんならやってみろ!)でもご自由に!

よいマッスルライフを!