C87 で配布された「Unreal Engineの歩き方」を読んだ感想です。
電子版を500円で買えます。
本の目次

例えば、3つか4つの小さなお嬢ちゃんに隣町のお婆ちゃん家まで独りで行かせたいとしましょう。

「まず、駅についたらボタンがいっぱい付いたクリーム色の四角い箱の細長い穴にこの銀色のコインを2枚と茶色のコインを4枚入れないさい、そして「240」って書いてあるボタンが光ったらそれを押しなさい、そしたら小さな四角いカードが出てくるからそれを取りなさい、そしてそれをバタンバタン開いたり閉じたりする扉の横にある穴に入れなさい…そしたらお箸を持つ方の階段を降りてお茶碗の方を向きなさい、そしたら上の方のこの辺に緑色のお札が貼ってある電車が来たらそれに乗って…」


このような教え方を「手順」と言います。 
「手順」は非常に手っ取り早いです。
彼女に数や通貨、電車というシステムの概念を 教える必要がありません。
何も考えずにただ手順通り実行するだけです。 

ただ、これには問題があります。
券売機の色は緑に変わるかもしれません。
値段が変わるかもしれません。
手元に小銭がないので、千円札を渡したときのやり方を教え直さないといけないかもしれません。 
階段がエスカレータ工事で塞がったり、準急が来ず普通列車しか来なくなるかもしれません。
要するに応用が利かないのです。

お婆ちゃん家に行くのが一度きりならそれでもいいでしょう。
でもボク達は違います。
Unreal Engineという名のお婆ちゃん家にいつでも自由に遊びに行けるようになる必要があります。


「Unreal Engine4の歩き方」は違います。
この本には一切の具体的な操作手順が出てきません。 
そんなことよか「通貨と電車システムの概念を叩き込んでやろう!」という本です。

この本は徹底的にUnreal Engineを俯瞰し、
全49項という限られた項数で読者に
Unreal Engineとは何であるか?
それぞれの機能は何であるか?
を解説した本です。 

通貨ってなんだよ?
電車ってなんだよ?
そもそもバスや三輪車じゃ駄目なのかよ?
俺達は何処に立っていて、何処に向かって歩き出せばいいだよ?
そんな基本的なことをお嬢ちゃんにやさしく叩き込んでくれます。
タイトルに偽りなし。
まさに「Unreal Engine4の歩き方」です。
何を理解する必要があって、何から学んでいけばいいのか?
そんな指針を示してくれます。

Unreal Engineを学ぶにあたって、1番最初に読むべき本でオススメです。

基本の基本を解説した本ですので、既にある程度Unreal Engineを学んでしまったひとにとっては、目新しいことは載っていないかもしれませんが、Unreal Engineの全体像を整理したいひと、質の高いドキュメント書く参考にしたいひとにとってもオススメです。